100年前の由緒あるピアノ修理!

篠山のまちなかカフェ「みくまり」は仲間との井戸端会議に時々利用する。そこに100年前のピアノ「ドイツ C.OTTO BERLIN」があり、私は以前より木部の修理をサービスで引き受けてきた。
今年に入り、そのピアノが漫画や新聞に載り、日本音楽教育の父と呼ばれる小松耕輔氏より贈られたピアノが縁ありここに鎮座している事が分かった。
今回楽譜台が抜け落ちる等の修理を頼まれたが、そんな由緒ある貴重なピアノを直すとなるとプレッシャーが掛かる。篠山木下楽器様のアドバイスもいただき今日無事修理完了。
自身喪失気味のピアノ演奏も、帰り際にはスムーズに弾ける様になり、幸せな気持ちで意気揚々と引き揚げてきたのである。

まちなかカフェ「みくまり」も100年の歴史ある建物であり、店内は広くて読書したりピアノ練習したりお気に入りの空間である。                                            
                                                             
見るからに100年の歴史を感じさせられるドイツのピアノ。                                     
                                                            
1年前の修理の様子、鍵盤下の板が大きく剥がれてきたので、愛用の道具持って駆け付けた。      
                                                                          
                                                                                                   
今年に入り、このピアノの歴史を取り上げた漫画本や新聞が出て一躍観光名所に?                                  
                                                                   
漫画の中には、カフェの外観や店主、ピアノが素晴らしいタッチで描かれている。                           
                                                             
楽譜台を外した後の鍵盤カバー。楽譜台はヒンジも甘く、カバーを閉める時ぶら下がり鍵盤を挟む事になる。                                                     
                                                           
外した楽譜台は持って帰り、工房で木ネジ穴埋めと下穴加工。
又蝶番のシャフトを抜き、軽く湾曲させて開閉にトルクを持たせた。                                     
                                                             
無理すると割れて修理不能となるので慎重に取付け動作確認、開閉トルクは少し甘いが1~2年は大丈夫だろう。    PS:象牙製の鍵盤は変色して歴史を感じる。